• AMED 令和5年度 「研究開発推進ネットワーク事業」QMSの概念に関する研究者及び研究支援者への教育

地域、疾患領域、臨床研究者・支援専門職ネットワークを活用した、QMSの概念に関する研究者及び研究支援者への教育研修に係る研究

研究開発代表者挨拶

AMED 令和5年度研究開発推進ネットワーク事業「地域、疾患領域、臨床研究者・支援専門職ネットワークを活用した、QMSの概念に関する研究者及び研究支援者への教育研修に係る研究」研究班の代表を務めております、国立精神・神経医療研究センターの小居秀紀と申します。

本研究班の令和5年度の活動としては、令和4年度に実施した臨床研究中核病院(以下「臨中」)以外の医療機関におけるQMSの理解度、関わる職種等の体制整備状況等のアンケート調査結果や、GCP Renovation(ICH E8、E6の改訂/刷新)等の法規制の動向、日本におけるドラッグ・ロスの拡大等の取り巻く環境変化等を鑑み、臨中以外の医療機関に求められる研究実施体制を、

  1. 革新的医療技術の開発を目指す(医師主導治験、臨床研究法に基づく特定臨床研究でのSponsorの役割(「準備・管理・報告」)の強化
  2. エビデンスの創出(診療ガイドライン等)、論文発表(業績)を目指す(人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(以下、「生命科学・医学系指針」)に基づく臨床研究を含む研究者主導臨床研究でのSponsorの役割の強化
  3. 企業治験(国際共同治験を含む)の受託数の増加を目指す(薬機法/ICH E6に基づくInvestigatorの役割(「実施」)の強化)
  4. 研究者主導臨床研究の登録症例数の増加を目指す(薬機法に加え、臨床研究法や生命科学・医学系指針にも対応したInvestigatorの役割の強化)

の4つに整理し、また、『個別の臨床試験』を下記1~3、

  1. 臨床試験の準備(計画策定)の段階での「QbD+CTQ要因、CTQ要因に対するRBA・①リスクの特定、②リスクの評価」
  2. 臨床試験の実施・管理の段階での「QbD・CTQ要因の適宜見直し+CTQ要因に対するRBA・③リスクのコントロール、④リスクコミュニケーション、⑤リスクレビュー」
  3. 臨床試験の成績まとめ・報告の段階での「RBA・⑥リスクの報告」

『体制としてのQMS』を下記1・2、

  1. 個別の臨床試験からの抽出課題に基づく全体最適化
  2. 個別の臨床試験の全体最適化を実現するための臨床研究支援部門の体制整備、円滑な臨床試験の計画・管理、実施の支援、並びに継続した改善活動

と整理したうえで、教育対象、教育資材、教育方法を検討しました。また、全国的な臨床研究の質向上を目指した教育研修の場として、2024年1月22日(月)には治験依頼者、実施医療機関を問わず臨床研究に関する知識や経験が少ない初学者も含めた臨床研究に関わる全ての職種を対象とした「Webセミナー」を、2024年2月3日(土)・4日(日)には所属する医療機関においてQMS推進の中核メンバーの教育研修を目的とした「集合研修」を実施しました。

また、本研究班メンバーが関係するネットワークでの教育研修、Webセミナーや集合研修の機会を通じて、臨中以外の医療機関から臨床研究・治験におけるQMSに対して適宜相談を受け付け、適切な助言等を行う相談窓口の設置が必要であるとの課題認識を持ち、本ホームページを開設しました。相談内容をご登録いただける「CQMS相談窓口」のページ、前述のWebセミナーや集合研修の教育資材(説明動画、配布資料)を掲載するページを用意していますので、ご確認いただけますと幸いです。

本研究班メンバー一同、日本における臨床研究・治験の更なる推進に少しでもお役に立てるよう努力いたしますので、ご理解、ご指導の程、よろしくお願いいたします。

2024年3月吉日

研究開発代表者
国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター
病院 臨床研究・教育研修部門 情報管理・解析部 部長
小居 秀紀

PAGE TOP